業務の自動化という話を聞いたことはありますか。
大企業では、数年前から取り組みがされているRPA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)などを活用して、業務の効率化を図る取り組みです。
事前に設定した作業手順をソフトウェアのロボットが自動で実行してもらうもので、新たな仮想的な従業員を追加するイメージになります。
最初は、ソフトウェアのライセンス費用が高額であったり、構築にはプログラミングのスキルが必要であったりと正直、専門家でないと導入が難しいものでした。
現在、Microsoft365(Office365)のアプリ「Power Automate」などクラウドで使える安価な自動化ツールがありますので、弊社のような小規模事業者でも知識があれば、導入が可能となっています。
今回は、弊社における業務の自動化の取り組みを紹介させていただきます。
コンテンツ
業務自動化(RPA導入)のメリット
業務の自動化のメリットは、大企業などの規模で対応件数が多い業務だけが対象ではありません。
従業員数名の小規模事業者の方が導入によるメリットが大きいと考えます。
低コスト
事業を行う上で固定費は、極力少ない方が理想です。特に従業員の給与は、費用の中で大きな割合を占める費用だと思います。
提携の事務作業であっても1名雇用すれば、少なくとも月に10万円~20万円くらいの費用が必要になると思います。
業務の自動化に必要なコストは、最初の構築必要が必要になりますが、運用時の費用は「Power Automate」であれば、月のライセンス費用は、数千円~とかなり低コストで運用することが可能です。
長期就業
RPAは、ロボットなので基本、辞めることはありません。業務が変わらない限りは、ずっと稼働することができます。
従業員定着のために福利厚生の施策を導入したり、意欲向上のために気を使ったりすることはありません。
不満を持って辞める懸念もありません。
効率化
RPAが行う業務は、人間が行うより高速に行うことができます。
一つ一つの業務で効率化によって、生まれる時間は、わずかでも定期的に発生する業務であれば、年間当たり相当な時間を生み出すことができるかもしれません。
正確性
RPAに業務を任せれば、業務を正確に行うことが可能になります。
また、どのように業務を行っていたのか記録を残すことも可能になります。
業務を確実に実行していることの確認は、人間相手だと難しいですが、RPAであれば、ログを調べればいつどのような業務を行ったのか確認することが可能になります。
業務への活用事例
経費使用の事前承認
従業員からの経費使用の申請をTeamsのListsに登録するとRPAが自動的に上位役職者にメールを送信します。
メールには、申請内容が記載されており、内容を確認した役職者は、メールに併せて記載されている承認または却下のボタンをクリックします。
RPAが申請を行った従業員に結果をメールで送信します。
併せて、RPAは、Lists上のステータスを自動で更新します。
RPAに承認のワークフローを自動化したことで、結果の管理工数をなくすことに成功しました。
また、承認の申請をエクセルで行っていた業務をTeams上で行うことでペーパーレスに成功しました。
交通費申請の承認
経費使用と同様にRPAで使用申請を都度、Teamsから申請してもらっています。
交通費もリモートワークにしたことでほとんど発生していないため、都度申請で対応できています。
また、小規模事業者のため、従業員全員の状況を管理者が把握できることから、従業員別のチームを作成し、個々の申請内容を把握しています。
定期的な資料作成の通知
毎日、定期的に作成する資料があるのですが、都度、ベースのファイルを格納した旨を担当者に連絡する手間がありました。
また、現在はリモートワークのため、声掛け以外の方法で通知しないと格納されたことが分からず、格納されたか確認する手間が余計に発生していました。
そこで、格納しているフォルダをRPAが監視し、ファイルが作成されると自動でTeamsの投稿欄に投稿する作業を自動化しました。
これによって、担当者は、作業着手できるタイミングがリアルタイムに分かるため、ロスなく資料作成が行えるようになりました。
また、このファイル作成通知を自動化したことで、従業員が成果物を作成したことが通知されるため、業務を行っているか確認することもできるようになりました。
これも、管理対象の従業員にしておくことで効率的に管理することができます。
リモートワークでは、従業員がサボるのでは?との声も聞かれますが、弊社では定期的に成果物を作成していただいています。
業務を自動化するコツ
単純な業務から
いきなり規模の大きい業務を自動化するのは、ノウハウが少ない段階だと難易度も高いことから、まずは、単純な業務から自動化することをオススメします。
定形業務かつ繰り返し発生する
自動化する対象の業務は、「定形」で「繰り返し」発生する業務が自動化による効果が高いです。
1回限りの業務であったり、内容によって人の判断が必要な業務は、自動化の効果が十分発揮できない場合があります。