生成AIエージェントによる、こころの健康支援の取り組み

弊社では、社員の心身の健康を支える「健康経営」に取り組んでいます。
しかし、日々の業務の中で見えてきたのは、メンタルヘルスに関する課題でした。

「誰にも相談できずに、悩みを抱え込んでしまう」
「話すきっかけがないまま、不調が長期化してしまう」

そういった現実がある一方で、私たちのような小規模事業者では、産業医や心理カウンセラーを常駐させることが難しいという制約もありました。

一人で抱え込まない環境を、仕組みでつくる

そこで、弊社が独自に取り組んでいるDXの技術を活かし、心理カウンセラーの役割を持つAIチャットエージェントを社内向けに開発しました。

このAIエージェントは、社員が気軽に悩みを話せるような設計となっており、相談内容をもとに、気持ちの整理・要因の分析・行動の提案までを自然な流れでサポートします。
ただ話を聞いてくれるだけではなく、社員が抱える悩みの背景や感情のパターンを分析し、適切なアドバイスや行動の提案を返してくれるよう設計されています。

実際に導入後は、「気持ちが整理された」「悩みの原因が可視化された」といった声が上がり、“ひとりで抱え込まない”という環境づくりに繋がっていると感じています

自然に、こころを整える習慣に

AIチャットボットの良さは、気軽に・匿名で・いつでも使えること。
人には話しづらい悩みも、「とりあえず話してみる」ことができます。

実際に使ってみた従業員からは、

  • 「言葉にすることで気持ちが軽くなった」
  • 「否定されない安心感があった」

という声もあり、日々の中で”こころの整理習慣”として役立てられています。

試験導入で見えてきた、確かな効果

実際に試験的に導入したところ、
・一人で抱え込む時間が減った
・自分の感情や状況を客観的に整理できるようになった
という効果が確認されました。

これは、近年の研究(例:2022年 Journal of Medical Internet Research)でも、AIエージェントによるメンタルサポートに一定の効果があると示されており、その有効性を社内でも実感しています。

研究でも効果が示されています

たとえば、日本国内の研究では、
「AIチャットボットの有用性を知覚させることで、若年層のメンタル支援に対する受容度が高まる」との調査結果も発表されています。
(出典:JSAI2023研究論文

こうした知見を参考にしながら、今後さらに活用範囲を広げていく予定です。

筆者が使ってみたリアルな感想

私自身もこのAIカウンセラーを実際に使ってみました。
印象的だったのは、以下の2点です。

  • 「否定されない場」であることの安心感
  • 感情を客観的に言語化できることによる気づき

人に話しづらいことでも、「AIなら話せる」気持ちのハードルの低さがあり、
実際に、話しているうちに気持ちが軽くなることを実感しました。
“話し相手”として、確かに有効であると感じています。

弊社のAI心理カウンセラーの主な特徴

  • 24時間いつでも対応(深夜でも、土日でも利用可能)
  • ストレスや不安の要因を自動で分析し、分類
  • 行動改善につながる提案やマインドフルネスアドバイスも提供
  • 匿名でも使える、プライバシーに配慮した設計
  • 必要に応じて、外部相談窓口への案内も可能

メンタルケアに、テクノロジーという新しい選択肢を

社員が自然にこころを整える環境を、テクノロジーの力でサポートする。
私たちは、小さな会社だからこそできる工夫で、健康経営を進めています。

AIカウンセラーは、“相談するハードルを下げる”新しいツールとして、
これからの組織づくりに欠かせない存在になるかもしれません。

限られたリソースの中でも、できることはある。
私たちは、テクノロジーの力を借りて「相談しやすい環境」を社内につくることで、
小規模事業者なりのメンタルヘルス支援を実現しています。

生成AIエージェントによるメンタルヘルスの対応に

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🔍 参考研究・論文

  1. Therabot を用いたランダム化比較試験
  • 論文名:「Randomized Trial of a Generative AI Chatbot for Mental Health Treatment」 Gwern
  • 概要:米国 Dartmouth College の研究者らが、うつ病・不安障害・摂食障害リスクのある成人を対象に、AIチャットボット介入群と待機群(対照)を比較。4週間で症状の改善が確認されたと報告されています。 ダートマス大学+1
  • URL: https://www.nejm.ai/…(論文ビュー/要購読)
  • 補足:この研究は「完全な代替治療」というより「補助的な利用」における有効性を示しており、安全性・限界も議論されています。 Psychiatry Advisor+1
  1. パイロット研究および文献レビュー
  • 論文名:「AI Chatbots for Mental Health: A Scoping Review of Effectiveness」 MDPI
  • 概要:AIチャットボットをメンタルヘルス支援として使った研究を体系的にまとめたレビュー。アクセスのしやすさ・コスト低減・早期介入の可能性などが指摘されています。
  • 補足:レビューでは「有望だが多数のバイアス・限界あり」と明記されており、慎重な活用の必要性も述べられています。
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