事業承継のご相談をいただいて、お話を伺うとたびたび出会う内容があります。
赤字が続いているので、事業の見直しをしたい。誰かに引き継いでもらいたい。
経営者の体調面に問題があるので、早々に誰かに引き継いでもらいたい。
言われることは、分かりますが特に財務状態が悪い事業は、誰も貰ってくれない。と思ってください。
1円で譲渡するのであれば、話は違うかもしれませんが、譲渡代金を提示されるのであれば、その価格に見合った事業でないといけません。
経営者が高齢のため、終活で事業承継するのと事業状況が悪いから承継したい(売却したい)のでは、全く違います。
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お買い物は得だから買う
皆さんが買い物をされるときに当てはめて考えてみましょう。
あなたなら、どちらを買いたいと思いますか。
- 通常時10,000円の物が、本日限り6,000円に40%OFF
- 通常時10,000円の物が、ワゴンセールで6,000円に40%OFF
1つの目の方は、いつもは値引しないのに今日だけお買い得な感じがしますが、2つ目は、理由があって売れないから値引しているように見えます。
事業も同じで、お買い得と感じてもらわないと承継してもらえません。
事前の計画が大事
事業承継は、いずれ対応しないといけない課題です。事業承継ができないから、事業が回らないという問題になる前に対処すれば問題はありません。
また、事業承継は、突然訪れることもありますが、基本的には準備する期間がある程度あるはずです。
そのため、事業承継を誰にするのか、いつするのか、どうやってするのかを計画しておけば、焦らなくても済みます。
でも、事業承継といっても何を準備すればいいのか分からない
という方が大半だと思います。
そういう時には、専門家の知識と経験を借りましょう。
専門家といってもいろいろありますが、特に中小企業や個人事業主の方は、身近な士業の方にまずは相談されるのがよいかと思います。
例えば、決算を任せている税理士や顧問になられている中小企業診断士のかたがよいかと思います。
顧問なんて契約してない場合は、公的機関である「よろず支援拠点」のコーディネーターの方へ相談する方法もあります。
よろず支援拠点とは
国が全国に設置した経営相談所です。
無料でなんどでも相談できます。
在籍しているコーディネーターは、士業(弁護士、税理士、中小企業診断士など)の方で構成されており、実際の経験がある方に対応してもらえます。
事業承継に向けた準備
計画を立てておくのはもちろん、承継した後に後継者が困らないように資産の整理や株式集約などの準備もありますが、何より事業が健全に回っている状態に保っておきましょう。
傾いた事業を事業承継するには、後継者は大変ですし、他社に売却(M&A)するのであればなおさらです。
事業価値を算出する際、特段資産がなく赤字だと事業価値はないです。
そうなると他社への事業承継(事業譲渡)は厳しいと思います。
手遅れにならないように事業に余裕があるときに準備しておきましょう。